相手からの暴言や無視が続いていても、形に残る証拠がないために離婚をあきらめてしまう方は少なくありません。
しかし、証拠が必要になる場面は限られており、状況によっては今から集めることもできます。
ここでは、証拠がない状態からモラハラを理由とする離婚を進める道筋を整理します。
証拠が問われる度合いは手続きで異なる
夫婦の合意で成立する協議離婚では、離婚の理由を法的に主張し立証する場面はありません。
ただし相手が離婚を渋っている段階では、記録が残っているかどうかが、話し合いに応じるかどうかの判断を左右します。
調停でも、事実を裏づける資料があれば調停委員に状況が伝わりやすく、慰謝料や条件面の交渉で差が出ます。
証拠の有無が結論を大きく左右するのは、相手が最後まで拒み、判決で離婚を認めてもらう段階です。
裁判で問われる離婚事由
裁判で離婚が認められるには、民法770条1項各号に定められた事由が必要です。
モラハラ自体が独立した法定離婚事由として規定されているわけではありませんが、その内容や程度によっては、民法770条1項4号の婚姻を継続し難い重大な事由に該当することがあります。
モラハラが同号に該当するか否かの判断では、言動の内容・程度や継続期間、それが夫婦関係に与えた影響、別居の有無・期間など、さまざまな事情が考慮されます。
なお、モラハラ自体が同号に該当しない場合でも、別居が長期化すれば、その状態自体が婚姻を継続し難い重大な事由と評価されることも少なくありません。
これから証拠を集める方法
過去にさかのぼれなくても、今後の言動を記録に残すことはできます。
自分で残せる記録
日付と時刻、その場の状況と実際に言われた言葉を、できるだけそのまま書き留めておきます。
継続的に具体的な記録を残しておけば、当時の状況を説明する資料となり、他の証拠とあわせて事実関係を裏付ける材料になることがあります。
会話の録音や、相手から届いたメッセージを保存しておくことも有効です。
第三者の記録を活用する
眠れない状態や気分の落ち込みで医療機関を受診していれば、診療の記録が当時の状況を示す資料になります。自治体の相談窓口や配偶者暴力相談支援センターに相談した事実や相談時の記録が、当時の状況を裏付ける資料となる場合もあります。
家族や友人がモラハラ行為を目撃していた場合は、その人に当時の様子を記した陳述書を作成してもらう方法もあるでしょう。
まとめ
モラハラの証拠がなくても、相手が同意すれば協議や調停で離婚は成立します。
争いになる場合でも、別居によって関係の破綻を示す方法や、これから記録を積み重ねる方法が残されています。
名古屋市や愛知県、三重県、岐阜県でモラハラによる離婚をお考えの方は、伊藤幸紀法律事務所へご相談ください。






