交通事故の種類を2つに大きく分けるとすると、「物損事故」と「人身事故」に分けることができます。両者は、「物が壊れた」のか「人が怪我をした」のかで区別されることになりますが、どちらに分類されるかで加害者の責任が大きく異なります。
例えば、交通事故の加害者は行政上の責任が問われますが、物損事故として扱われた場合は、道路交通法違反がある場合を除き、加害者の免許の点数に加算がされません。
また、物損事故の場合、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」の適用がないため、加害者は自動車運転過失致死傷罪などの刑事罰に処されることはありません。物を壊したということで「器物損壊罪」(刑法261条)が問われるのかが問題となりますが、器物損壊罪は加害者がわざと物を壊した場合にしか成立しない犯罪であるため(器物損壊罪に過失規定がないため)、過失で物を壊したケースには適用されません。
さらに、物損事故の場合、事故によって生じた修理代を支払うだけなので、事故による賠償額も人身事故よりはるかに低額となります。
このような違いが生じるため、、例えば、事故の被害に遭った直後は何ら外傷がなくとも、数日後にむち打ち等で首や腰に痛みやしびれが生じた場合は、物損事故から人身事故への切り替えを行わなければ、上記のように加害者の責任は少なく済み、治療費などを請求できない場合があります。
よって、事故数日後に症状が生じた場合は病院で症状の診断書を作成してもらい、物損事故から人身事故への切り替えを行いましょう。切り替え手続きを警察が行ってくれない場合は、弁護士などの交通事故に強い法律専門家に相談するようにしましょう。
伊藤幸紀法律事務所は、慰謝料・損害賠償請求や、示談交渉、事故後の対応の仕方などの交通事故をめぐる様々な法律相談を承っております。
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