残置物は、賃貸オーナー・管理会社にとって悩ましい問題です。
早く原状回復して次の募集に進みたい一方で、独断で処分すると、後から所有権侵害や損害賠償のトラブルに発展することがあります。
今回は、入居者の残置物撤去におけるポイントを解説いたします。
残置物とは
エアコンや給湯器など、賃貸借契約上、物件に付帯するものはオーナー側が管理責任を負います。
一方、持ち込みの家電や家具は残置物であり、オーナーが当然に処分できる対象ではありません。
残置物とは、入居者が退去後に室内へ置きっぱなしにした私物を指します。
残置物は原則として入居者の財産であり、退去したからといって自動的に所有権が消えるわけではありません。
残置物の問題が起きやすい場面
残置物の問題が起きやすい場面は、以下の3つです。
- 鍵は返却されたものの不用品が放置されたケース
- 夜逃げなどで姿を消したケース
- 室内で死亡したケース
それぞれ確認していきましょう。
鍵は返却されたものの不用品が放置されたケース
鍵は返却されたものの不用品が放置されたケースは、賃貸契約でよく見られます。
不用品に価値が不明な物が混ざっていると、後々、高価な品があったなどと主張される可能性があります。
夜逃げなどで姿を消したケース
夜逃げや家賃滞納で姿を消したケースでは、契約関係がまだ継続している可能性があり、明渡しが未了の段階で室内に立ち入ったり搬出したりすると違法になるおそれがあります。
残置物を勝手に処分すれば不法行為の問題が生じ得ます。
室内で死亡したケース
室内死亡の場合は、残置物が遺品となり、原則として相続人の財産です。
相続人の有無や所在がわからないと、賃貸借契約の解除や残置物処理が難航しやすくなります。
入居者の残置物撤去におけるポイント
入居者の残置物撤去におけるポイントは、以下のとおりです。
現地確認と記録をする
室内全体と残置物の内容を、写真・動画で網羅的に残します。
家電や貴金属の可能性があるもの、宗教関連品は、特に丁寧に撮影し、配置や状態が分かるようにしておくとトラブル予防に役立ちます。
あわせて、鍵の返却状況、郵便物の有無、ライフライン利用状況など、退去の実態を推測できる事情も記録化しておくと後の判断材料になります。
所有者や相続人への通知
所有者または相続人に通知し、引取りの機会を与えます。
実務では内容証明郵便が使われることが多く、引取期限、保管場所、期限経過後の取り扱い方針を明確にしておくのがポイントです。
一定期間の保管を経ても引き取りがない場合に、初めて処分を検討します。
まとめ
残置物は、不要品に見えても法的には入居者または相続人の財産であり、オーナーが独断で処分すると、トラブルの原因になります。
夜逃げ、室内死亡、所在不明、相続人不明など、判断を誤りやすいケースでは、早めに弁護士に相談することを検討してください。






