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家賃滞納者に差押えをすることは可能?具体的な方法や注意点とは

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家賃滞納者に差押えをすることは可能?具体的な方法や注意点とは

家賃滞納は、放置してしまうと滞納額が増え続けていき、回収がどんどん困難になってしまいます。
家賃滞納を解決するために差押えという手段があります。差押えは効果が強力である反面、法的な手続きに従って行わなくてはなりません。
今回は家賃滞納者への差押えについて解説します。

■家賃滞納者に差押えをすることは可能か
差押えをするためには最低限下記の条件を満たさなければなりません。

(1)債務名義
差押えは強力な効果を持つため、必ず判決に基づいて行われます。
そのため、債務名義という差押えを行うための根拠が必要になるのです。
債務名義には、
・確定判決
・仮執行宣言のある判決
・和解調書
・調停調書
などが含まれます。
確定判決とは、裁判所からの判決が下されており、上訴できない判決のことを指します。
一方、仮執行宣言のある判決は、差押えが可能であると判決を下されているものの、上訴が可能な判決のことを指します。
和解調書は、裁判中に和解による解決がなされた場合に裁判官がその内容を記した書面です。判決ではありませんが、確定判決と同一の効力を有しています。
最後の調停調書は、裁判ではなく調停によって合意した内容をまとめたものです。これも債務名義にあたります。
他にも執行証書や認諾調書なども債務名義に含まれます。

(2)差押え相手の財産調査
差押えをするには、相手の財産の中で差押えが可能なものを特定しなくてはなりません。例えば、銀行口座であればどの銀行かなどを特定する必要があります。
こういった情報は相手側から提示してくる可能性は低いため、財産開示手続という方法を使うのが一般的です。

(3)裁判所の許可
債務名義と財産調査を基にして、裁判所に差押えの申し立てをします。
裁判所が申し立てに許可を出さないと差押えの実行はできません。

■差押えの具体的方法
(1)債権執行
現金での回収が可能であるため、競売の手続きを経る必要がありません。手続きも他の方法と比べて負担が少ないため、よく取られる手段です。
主な対象として給与や銀行預金が挙げられます。

①銀行預金の差押え
預金口座が判明している場合は、預金を差押えすることが可能です。

注意すべき点は、差押え手続きをするタイミングです。
銀行が差押え命令を受け取った時点の預金を差押えることになるので、それまでにお金が引き出されてしまっていたら、せっかく預金を差押えても十分な金額を差押えることにはつながらないからです。

したがって、口座に預金がありそうなタイミングを見計らって差押え手続きを行う必要があります。

また、他の債権者との競合になるような場合には、預金口座を差押えたらすぐに銀行に取り立てる必要もあります。

②給与の差押え
相手の勤務先が判明している場合は、給与を差押えすることが可能です。

差押える金額は相手の給与がいくらかで変わります。
月の給与手取り額のうち通勤手当を除いた額が44万円以内の場合は、その額の4分の1が上限となります。

月の給与手取り額のうち通勤手当を除いた額が44万円を超える場合は、その額から33万円を差し引いた額が上限となります。

例えば、月の給与手取り額のうち通勤手当を除いた額が50万円の場合では、17万円を差押えることができます。

(2)動産執行
車や家財道具を差押さえることが可能です。
ただし、生活必需品や66万円までの現金などの差押禁止財産は差押えることができません。

差押えから競売にかけるまでの時間は短いことがメリットとして挙げられます。
しかし、動産のほとんどを生活必需品が占めるような場合には、差押えることができる動産がほとんどないということも考えられます。
さらに、差押えをしたとしても、競売による換価金額が小さい場合には、十分な回収ができない可能性がある点に注意が必要です。

(3)不動産執行
不動産を差押え、競売にかけることで回収します。
不動産は見つけやすい上、高価値の場合もあるため、十分な回収が期待できる点がメリットです。
しかし、不動産の鑑定などが必要であるため、回収までの期間が長くなってしまいます。
さらに、鑑定などに費用がかかってしまうため、場合によっては滞納額よりも不動産執行にかかる費用の方が大きい可能性もある点に注意が必要です。

■まとめ
差押えはさまざまな法的手続きを行わないといけないため、弁護士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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