任意整理は借金問題を解決するための有効な手段です。
しかし、手続き後の支払が滞ってしまうと、再び深刻な状況に陥るおそれがあります。
今回は、任意整理後に支払が遅れた場合に考えられるリスクや、その際の具体的な対処法を見ていきます。
任意整理後の支払遅れに伴うリスク
2度以上の遅延、もしくは2か月以上の遅延になりそうな場合は、特に注意が必要です。
1度の遅延では大きな問題にならない場合がある
多くの場合、任意整理の和解書には「2回以上滞納した場合は一括請求を行う」などの条項が盛り込まれています。
そのため返済が遅れてしまっても、1度の遅延であれば、重大なトラブルに発展しないこともあります。
ただし1度目でも、長く放置すると一括請求をされる可能性があるため、支払予定や事情をきちんと説明するのが重要です。
2度以上の遅延は一括請求のリスクが高まる
2度以上滞納すると、契約不履行と判断される可能性が高まります。
債権者は和解条件を解除し、残債を元の条件に戻して一括請求してくるケースも珍しくありません。
一括で全額を支払うのは現実的に難しく、任意整理後は新たな借入もほぼ不可能なため、支払手段が限られます。
個人再生や自己破産など、別の債務整理を検討せざるを得ない場合もあるでしょう。
財産差押えの可能性もある
一括請求を受けても支払に応じないままでいると、債権者は裁判を起こす可能性があります。
裁判を無視すれば、最終的に判決に基づいて給与や預貯金などの財産を差し押さえられるおそれがあります。
差押えは生活に直接影響するため、そうなる前に弁護士などに相談し、対応策を検討するのが重要です。
支払が遅れそうなときの対処法
支払が遅れそうなときの対処法は、以下のとおりです。
早めに債権者へ連絡する
返済が間に合わないとわかった時点で、できるだけ早く債権者や代理人弁護士に連絡しましょう。
事前に相談すれば、期限延長や分割額の調整に応じてもらえる場合があります。
弁護士に再相談する
返済が継続的に難しい場合は、弁護士に再度相談して再交渉を依頼する方法があります。
状況によっては再度任意整理を組み直す、あるいは個人再生や自己破産など別の債務整理手続きに移行する選択肢もあります。
家計の見直しを行う
固定費の削減や収入増加の手段を検討し、返済原資を確保します。
不要なサブスクリプション解約や副業の活用など、短期的に現金を確保できる方法を優先的に取り入れると効果的です。
まとめ
支払遅れが続くと、契約の破棄や一括請求などの重大な事態に発展する可能性があります。
返済が難しくなる兆しが見えた段階で、早めに債権者や弁護士へ相談し、生活や家計の立て直しを図るのが大切です。
計画的な返済管理を行えば、任意整理の効果を活かしやすくなります。