交通事故で死亡事故を発生させた場合、加害者は次の法的責任を負うことになります。
●刑事責任
まず、通常の運転上の過失しかなければ、「過失運転致死」として7年以下の懲役、7年以下の禁錮、100万円以下の罰金のいずれかの刑罰が科されます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)。
初犯であれば罰金や執行猶予付きの懲役刑となるケースが一般的ですが、被害者側に全く過失がない場合や、信号に従って横断歩道上を歩いていた被害者をはねるなど加害者側の過失態様があまりにも酷い場合は、初犯でも実刑になる可能性があります。
また、アルコールや薬物の影響で正常な運転が困難な状態で走行した場合や、制御困難な高速度で走行した場合、無理な割込みや幅寄せなどの危険な運転した場合、信号無視を行い重大な交通の危険を生じさせた場合、などの事情があれば、「危険運転致死」として1年以上20年以下の懲役になります(同法2条)。
さらに、上記危険運転を無免許で行った場合は、上記刑罰に加重して刑が科されることになります(同法6条)。
なお、人を殺害する目的で運転し、人を死亡させた場合は殺人罪(刑法199条)が問われることもあります。
●民事責任
民事責任としては、慰謝料などの高額な賠償金を支払うことになります。その際、被害者遺族と示談交渉を行うことになるでしょう。示談については自動車保険に加入していれば、交渉・示談の締結・金銭の支払いなどの全てを行います。
●行政責任
行政責任としては公安委員会による道路交通法違反に対しての処分があります。交通事故の状況や加害者の責任の度合いに応じて運転免許に違反点数が加点され、点数が一定以上を超えると免許停止や免許取消しとなります。
伊藤幸紀法律事務所は、慰謝料・損害賠償請求や、示談交渉、事故後の対応の仕方などの交通事故をめぐる様々な法律相談を承っております。
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