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退職金が財産分与の対象になるケース|計算方法も併せて解説

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退職金が財産分与の対象になるケース|計算方法も併せて解説

■退職金が財産分与の対象になるケース
退職金は財産分与の対象になる場合があります。
退職金は賃金の後払いという性格があるため、「勤務期間」と「婚姻期間」が重なっている期間に形成された退職金は財産分与の対象となる可能性があります。

ただし、退職金がまだ支払われていない場合、特に退職金が支払われるのが遠い将来の場合は財産分与の対象とならない場合もありますので、注意が必要です。

■計算方法
具体的な金額は一般的には以下の方法で算出されることが多くなっています。
1 退職金が既に支払われている場合
この場合は基本的には財産分与に含まれます。既に退職金が支払われている場合は、夫婦の共有財産と考えることができるからです。
<計算方法>
「退職金額×同居期間÷勤続期間=財産分与の対象金額」
※婚姻が継続していても別居していた期間があれば、その期間は婚姻期間には含まれません。そのため、同居期間で計算をするのです。

例えば下のようなケースを考えてみましょう。
退職金:1500万円
同居期間:20年
勤務期間:30年

このケースでは、
1500万円×20年÷30年=1000万円
となり、1000万円が財産分与の対象金額です。

2 退職金がまだ支払われていない場合
この場合は、退職金が支払われる可能性が高いか低いかによって変わります。
退職金が支払われる可能性が極めて高い場合は財産分与の対象となることがあります。
しかし、退職金の支払いが規定に定められていない場合や、転勤を繰り返していて勤務年数が短い場合、退職金を支払われるのが10年以上先の場合など、退職金が支払われる可能性が高いといえない場合、財産分与の対象とならないことが考えられます。
<計算方法>
退職金がまだ支払われていない場合における計算方法は決まったものがあるわけではありません。
ここでは、代表的なものを二つご紹介します。
(1)現時点で退職したと仮定する場合
この場合は、前述の計算方法と同様になります。
「退職金額×同居期間÷勤続期間=財産分与の対象金額」

(2)定年時に受け取れる予定の退職金をもとに計算する場合
この場合は、受け取れる予定の退職金から、婚姻期間以外の金額と中間利息を差し引いて上述のように計算できます。
中間利息とは、本来は将来受け取るべき退職金の現在価値を算出するためのものです。

例えば下のようなケースを考えてみましょう。
定年時に受け取れる予定の退職金:1500万円
定年退職までの年数:5年
同居期間:20年
勤務期間:30年
法定利率:年5%

このケースでは、
1500万円÷(1.05)⁵×20年÷30年≒784万円
となり、約784万円が財産分与の対象です。

■まとめ
退職金も財産分与の対象となる可能性があります。

離婚する際に退職金も財産分与に含めたいのであれば、弁護士に相談することをおすすめします。
当事者同士で協議もできますが、大きな負担がかかる上、財産分与の金額が少なくなってしまう可能性もあります。

伊藤幸紀法律事務所は、名古屋市内、愛知県、三重県、岐阜県を中心に、離婚に関する問題の法律相談を承っております。
当事務所は、弱い立場の皆様の味方として、不貞行為問題、DV問題、財産分与問題、住宅ローンへの対処、婚姻費用分担請求問題、親権と監護権、子供の養育費、子供の引き渡し請求、離婚後の氏と戸籍、面会交流権(面接交渉)、離婚の種類と手続き、協議離婚、裁判離婚、国際結婚に関連して生ずる問題などの離婚問題について、さまざまなお悩み・ご要望にお応えしておりますので、離婚についてお困りの際は、当事務所にお気軽にご相談ください。

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