離婚調停が長引くと聞くと、多くの方が「早く終わらせたい」と思うかもしれません。
しかし、あえて時間をかけることで得られる利点も存在します。
今回は、離婚調停を長引かせる場合のメリットとデメリットを見ていきます。
離婚調停とは
離婚調停は、家庭裁判所で行われる夫婦間の話し合いの場です。
第三者である調停委員が間に入り、離婚するかどうかや条件面を整理します。
話し合いがまとまれば調停成立となり、不成立の場合は裁判へ進むこともあります。
基本的には月に1回程度のペースで期日が設定されます。
離婚調停を長引かせるメリット
離婚調停が長引くと、以下のような利点が生まれる可能性があります。
- 感情の整理ができる
- 有利な証拠を集められる
- 相手の譲歩を引き出せる可能性がある
それぞれ確認していきましょう。
感情の整理ができる
離婚は感情的な衝突を伴うため、冷静に判断するのが難しい場面もあります。
時間をかけることで感情が落ち着き、より合理的な選択をしやすくなります。
有利な証拠を集められる
調停中に追加の証拠や資料を集める時間を確保できます。
たとえば、相手の不貞行為や金銭の使い込みなど、後から判明する事実もあります。
相手の譲歩を引き出せる可能性がある
時間が経つことで相手も精神的・経済的な負担を感じ始め、条件面で譲歩してくれる可能性があります。
特に養育費や財産分与の金額交渉では、時間経過が有利に働くことがあります。
離婚調停を長引かせるデメリット
一方で、長期化は次のような不利益を招くおそれがあります。
- 精神的負担が増える
- 経済的負担がかかる
- 生活の不安定さが続く
それぞれ見ていきましょう。
精神的負担が増える
調停は夫婦関係の問題を繰り返し話し合うため、長引くほど精神的疲労が蓄積します。
特に毎回の期日に向けて準備を続けるのは負担が大きくなります。
経済的負担がかかる
弁護士に依頼している場合、期日が増えるほど費用もかさみます。
交通費や仕事の欠勤による収入減なども無視できません。
生活の不安定さが続く
離婚が成立するまで生活基盤が定まらない場合、住居や子どもの学校など日常生活への影響が長引きます。
不安定な期間が長いほど、本人や家族にかかるストレスは増えます。
まとめ
今回は、離婚調停を長引かせるメリットとデメリットを確認しました。
長引かせることで有利な条件を引き出せる場合もありますが、精神的・経済的負担が増えるリスクもあります。
重要なのは、自分や家族の状況を冷静に見極め、最適なペースで進めることです。
必要に応じて弁護士などの専門家に相談し、後悔のない選択を目指しましょう。