子供の親権と監護権は、離婚した場合に争いになり得ます。
■離婚した場合の親権
夫婦が離婚した場合、その子にもっていた親権は、夫婦のうちどちらか一方のものとなります。
親権を持つ者は、親権・監護権を持たない者が子を自分の元にとどめている場合には、親権に対する妨害があるといえます。このような場合、親権者から第三者に対して、親権(民法820条)に基づく妨害排除請求権として、親権を持つ子の引き渡し請求をすることが認められています。
ただし、子の利益を害する請求は許されず、子が自らの意思で留まっている場合には親権への侵害は認められません、
■離婚する前の親権
離婚する前は、婚姻中の夫婦は、未成年の子に対し、共同で親権を行使します(民法818条1項)
夫婦がその間の子である幼児に対して共同で親権を行使している場合には、夫婦の一方による右幼児に対する監護は、親権に基づくものとして、特段の事情がない限り、適法です。そのため、共同親権者から親権者に対して、親権(民法820条)に基づく妨害排除請求権として、親権を持つ子の引き渡し請求をすることは原則認められていません。
もっとも、幼児が拘束者の監護下におかれるよりも、請求者に監護されることが子の幸福に適することが明白であること、言い換えれば、拘束者が幼児を監護することが子の幸福に反することが明白であるといった特段の事情がある場合については、子の引き渡し請求が認められる場合があります。
伊藤幸紀法律事務所は、名古屋市内、愛知県、三重県、岐阜県を中心に、離婚に関する問題の法律相談を承っております。
当事務所は、弱い立場の皆様の味方として、不貞行為問題、DV問題、財産分与問題、住宅ローンへの対処、婚姻費用分担請求問題、親権と監護権、子供の養育費、子供の引き渡し請求、離婚後の氏と戸籍、面会交流権(面接交渉)、離婚の種類と手続き、協議離婚、裁判離婚、国際結婚に関連して生ずる問題などの離婚問題について、さまざまなお悩み・ご要望にお応えしておりますので、離婚についてお困りの際は、当事務所にお気軽にご相談ください。
親権と監護権
伊藤幸紀法律事務所が提供する基礎知識
-
悪徳商法
悪徳商法とは、正当な販売行為を装いながら消費者から金銭をだまし取る詐欺的商法をいい、悪質商法とも言われ...
-
一般民事の種類
一般民事の範囲は多岐に渡ります。 しかしながら、民事訴訟法上の訴えは大きくわけて①給付の訴え②確認の訴...
-
不倫された場合の慰謝料...
■離婚する際の慰謝料請求とは 離婚の原因として、配偶者の不倫が挙げられます。もし、配偶者の不倫が原因と...
-
傷害事件
傷害事件における傷害とは、人の身体の生理的機能を害する行為とされています。生理的機能を害する行為は物理...
-
慰謝料(不貞行為など)
慰謝料とは、相手方の不法行為(民法709条)によって生じた、精神的損害(民法710)に対する損害賠償金...
-
三重県の債務整理は経験...
■債務整理とは 債務整理とは、借金を抱えている方のために設けられた制度です。借金を抱えて返済に追われて...
-
物損事故
交通事故の種類を2つに大きく分けるとすると、「物損事故」と「人身事故」に分けることができます。両者は、...
-
援助交際・パパ活
援助交際やパパ活と称される行為は、犯罪に触れる可能性が非常に高くあります。 逮捕される事態にまで発展し...
-
住宅ローン
離婚する場合に住宅ローンがあると、様々な法的問題が生じます。 ■財産分与の精算対象と住宅ローン 一...