不動産売買契約書に記載すべき必須項目としては、以下のものがあります。
①売買対象不動産の特定
売買契約は、売買の対象となるものと代金を約することによって成立します。不動産売買契約では、対象不動産を明確に特定する必要があります。
不動産の所在や地番、面積等を記載して特定するのが一般的です。
②代金額や支払い方法
契約書では、代金額だけでなく、具体的な支払方法についても記載しておく必要があります。
手付金や代金全額の支払い期日については必ず記載しましょう。また、必要があれば振込先口座等についても記載しましょう。
③所有権移転時期、明渡時期
特段の定めがない場合、不動産所有権は売買契約と同時に移転します。しかし、不動産売買契約では、代金支払期日に所有権が移転すると定めておくのが一般的です。
また、不動産の明渡期日についても代金支払期日に合わせることが多いです。
④公租公課の清算
不動産の所有には、固定資産税や都市計画税、管理費、修繕積立金等の負担が伴います。
売買契約書では、これらの公租公課の清算方法についても定めておく必要があります。通常は売買代金とは別で清算することになります。
⑤手付
手付(解約手付)とは、金銭を支払えば契約を解除できるとする取り決めのことをいいます。買主は代金の一部(手付金)を契約直後に支払っておき、これを放棄すれば契約を解除できます。反対に、売主は手付金の倍額を支払うことによって契約を解除できます。
手付に関して取り決める事項しては、手付金の金額・交付時期のほか、手付解除の期限等があります。
⑥契約違反による解除
当事者のいずれかが債務不履行に陥った場合には、その相手方が不動産売買契約を解除することが考えられます。
どのような条件で解除できるのか、契約に違反した側がいくら支払うのかについては、契約段階で決めておきましょう。
⑦契約不適合責任
不動産に問題があった場合、買主はその追完や代金の減額、損害賠償を請求することができます(民法562条以下)。
売買契約では、通知期間の短縮や追完請求の制限等によって、売主の責任を限定する場合があります。
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不動産売買契約書の作成・チェック
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